最近気づいた切手の心

今回登場するのは、絵本作家や雑貨のデザイナーとして、また、御自身の雑貨店「vanilla chair」も人気の、まえをけいこ。さん。切手コレクターたちを横目に、マイペースで歩んできたまえをさんにとっての切手のコレクションとは??



最近気づいた切手の心

俗に言う“切手好き”だと自分で意識したことはなかったけれど、うちのショップのカタログをお送りする時は、封筒の地色と宛名と切手の色をコーディネートするのは基本、と思っていました。郵便局で記念切手や5円切手(青系封筒用、鳥柄、行列で貼るもよし)を、何シートもばか買いする度に「これじゃまるで、切手好きみたい……」って。

5、6年前世田谷のボロ市で、日本の古い切手が大放出されていた時も(万博の切手などがまるまるシートでどっさり。定価売りでした。)、なんとも色あせた印刷物の質感やデザインをとても捨ておけず、めくるめく束買いで2万5千円を投じました。でも「ちょっとちょっと、切手好きでもあるまいし……」と思っていました。

仕事で度々訪れたベトナム。ここにも古切手商が、私を包み込むように間口を広げていました。これまた粗悪な紙と、ブレブレねぼけ色の花モチーフのオンパレードに、切手破産。「業者並みだな、自分……」日本円を使い切りました。そのときの切手は、お土産用に渡す人のイメージで色別にフレームにコラージュして。それ以来、旅先では「色買い」するようになりました。

時代や背景の知識もなく、それぞれの価値も判らないけれど、私に言わせれば、切手ってなんとも「雑貨的」なもの。「ちいさいもの」で「紙もの」で「デザインもの」。収集に、インテリアに、ラッピングに。

今年になって、友人に誘われ、切手博物館やバザーにちらちら出向いています。そろそろ自覚も芽生え始めました。「切手ね……、きらいじゃないですね」




どうしても味のある切手帳を手に入れたくて、出会いを待っていました。ついに札幌の11月という古モノ屋さんで巡り会いました。ねぼけ色、手ざわり、薄紙の変色具合、申し分なしです。


ベトナム展というイベント用DMに切手をアレンジしました。お客さまにも好評。

まえをけいこ。/ 雑貨屋、絵本作家

1970年生まれ。雑貨カタログディスプレイ大賞受賞。ベビー服、雑貨等のデザインを手がける。高円寺と札幌にショップ『vanilla chair』を持つ。現在「ひゃっこちゃん」を始め絵本を5冊(すべてスカイフィッシュ・グラフィックス刊)他が国内外で販売されている。11月に文化出版局より「ちいさなとっておき」発売予定。そして来年1月にはオリジナル切手柄ファブリックを作ります。

まえをけいこ。さんHP:http://www.skyfish.gr.jp/penny/maeo/
[vanilla chair] 住所:東京都杉並区高円寺北3-3-10
          Tel:03-3339-2407