tinycrown

プチグラに1月より新たに登場した「tinycrown+ (タイニークラウン プラス)」。
こちらは、プチグラでも12月にコーナーができました、ロンドン在住のバイヤー・イセキアヤコさんが、ヨーロッパの国々を実際に歩き回って買い付けてきたヴィンテージのジュエリーや雑貨などを紹介してくださるレーベル「tinycrown」のアーティストエージェント部門です。
イセキさんが出会ったヨーロッパの素敵な若手アーティストたちの作品や活動を、日本へ紹介してくれます。

まずはみなさんにそれぞれのアーティストを知ってもらうため、イセキさんに各アーティストを取材していただきました。作品を実際に作っているアトリエや生活の風景に、彼女たちのインスピレーションの源が見えてきますよ。

Lisa Jones

大学でファインアートを学んだリサ・ジョーンズは2000年に活動を開始して依頼、ステーショナリーとしては画期的かつ斬新なヴィジュアルのグリーティングカードを数多く制作しています。

カードはそれぞれ225gsmのマット紙にシルクスクリーン印刷されており、その工程はすべて彼女の丁寧なハンドメイドによるもの。デザインに優れ厚みをおさえたクオリティの高い仕上がりのカードは、本国イギリスのみならずヨーロッパ各国でも次第に評価が高まっており、現在Tatty DevineやColletteをはじめとするファッションブティックやアートギャラリー、百貨店LibertyやThe Conran Shopといった大手セレクトショップで取扱いがあります。

また近年ではグリーティングカード以外にもカレンダーや包装紙(再生紙と大豆インク使用)といったプロダクツを発表し、habitatの子供用ポストカードセットなどもてがけています。

そんなリサのインスピレーションの源は、1970年代の陶器、1950年代のイラストレーション、のみの市や布雑貨屋、そして北欧のフォークロア。趣味は自家菜園で野菜を育てること、そして自転車で街を散策することだそうです。ロンドン在住。


アトリエ訪問

グリーティングカードやポスター、カレンダーといった紙もののプロダクツを数多く制作しているイギリス人作家リサ・ジョーンズのアトリエは、西ロンドンにある学校の校舎のような大きい建物の一室で、彼女は複数のアーティストとスペースを共有しています。同じ建物内には他にも大勢のアーティストがアトリエを構えていて、毎年定期的に一般市民が建物の中を見学することができる「OPEN STUDIO」というイベントを開催しています。

2006年12月上旬に行われたそのイベントに、私も足を運んできました。その日の様子をご紹介します。


建物の廊下。左側にある水色の扉の部屋がリサのアトリエです。
この建物にアトリエを構えるアーティストはリサのようなシルクスクリーンを扱う作家に限らず、彫刻家、家具職人、ジュエリー作家など多彩な顔ぶれです。

リサのアトリエ内。手前がリサのスペース、奥はまた別のアーティストが使っています。

OPEN STUDIO期間中は、アーティストがこのように各自室内をきれいにして作品を一般市民に販売する日でもあります。リサのスペースにはきちんと整頓されたグリーティングカードやポスターが並んでいました。

リサに、実際にシルクスクリーンのパネルを見せてもらいました。

けっこう重いのです。一枚のパネルに複数のデザイン画がのっています。
こんなパネルが何枚もあるのよ、と話すリサ。

リサは機械を使用していないので印刷は基本的に全て手作業です。刷る際に微妙な力加減のいることも多く、忙しくなって人手が欲しいときでも、なかなか人を呼んですぐ手伝ってもらうというわけにはいかないのだとか。でも、そうした苦労があってこそ生まれるリサのハンドプリントの味わいは、カードを手にとった人にもきっと伝わっていることでしょう。

この日、私は2007年に日本で紹介する予定の新作アイテムをいくつかセレクトして帰路につきました。近いうちに皆さんにご紹介できると思いますので、楽しみにしていてくださいね。

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Caro et Lili

Caroline Dhenry(右)とAurelie Hubben(左)のふたりはともにフランス出身ながら10代のときにベルギーの美術学校で出会い、以来自分たちのレーベルを作りたいという夢を目標に13年間ゆっくりとクリエイションを続けてきました。現在はフランスにてそれぞれの子ども時代の呼び名を組み合わせた“Caro et Lili”というレーベル名で、バッグ、ブローチ、ベルト、Tシャツといったファッションにまつわる物づくりをしています。

共通のスタイル、共通の趣味を持っているというふたりは、創作のインスピレーションをあくまで自分たちの日常生活から得ているといいます。主な作品はロシア人形や動物といったモチーフをスパンコール、ビーズ、糸などを使ったさまざまな刺繍のテクニックによってかたちにしていくというもので、パリのセレクトショップ、ファッション雑誌で毎年注目を集めています。

彼女たちがいちばん大切にしているのは「フレッシュな気持ち」と「遊び心」。そのレーベル名のとおり、幼いころの好奇心を忘れないでいたいというふたりの想いがすべての作品に込められています。


アトリエ訪問

2006年11月、カロとリリが暮らすフランスの小さな町ドゥエを訪ねました。

10代のころにベルギーのアートスクールで出会い、自分たちのレーベル「カロ エ リリ」を作ろうと決心した二人は、それ以来、一緒にファッションにまつわる物づくりを続けてきました。そしてそれぞれが結婚した今も、同じ町に移り住んで活動を続けています。

ふたりのアトリエ兼ショールームは、同じくドゥエに暮らすリリのおばあちゃんの家の2階にあります。明るい光が部屋に差し込んでくる心地よい空間で、1階のキッチンからはこの季節、紅葉がまぶしい庭を楽しむことができました。きっと、時にはおばあちゃんを加えて女3人でお喋りをしながら、自分たちの生活もクリエイションも楽しんでいるんだろうな、と想像できます。

ふたりの自然な暮らしぶりは、「カロ エ リリ」のおおらかであたたかい作風そのもの。「物づくりのインスピレーションは家族や日常生活から得ている」というリリの言葉に納得です。


アトリエに着くと、いつも昼ご飯を作って待ってくれている。左がリリで右がカロ。

おばあちゃんのインテリア小物が至るところに。それが何とも愛嬌があって可愛いのです。

庭にて

アトリエ兼ショウルームは二部屋あります。私は年に何度もこのアトリエを訪れていますが、そのたびに新しいアイテムが増えて、ディスプレイが新しくなっているのに気づきます。
こちらが一部屋目。この部屋は新作が中心に置かれています

窓ガラスに貼ってあるシールがキュート。右がカロで左がリリ?

二部屋目。バッグの上にバッグがついたユニークな作品も。こちらは制作に使われる素材のストックルームにもなっています。右に少し見える白いテーブルで作業をしているそうです。

日本では現在ブローチのみの販売ですが、2007年は布ものの新作も続々登場する予定です。二人の今後の活動に注目です。

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Amanda Coleman

アマンダ・コールマンはロンドンのRCA(Royal College of Art)を卒業したのち1998年にロンドンでスタジオを構え、2003年からは中世の佇まいを残すイングランドの田舎町リンカンにスタジオと住まいを移してオリジナルデザインのジュエリーを制作しています。

アマンダはリンカンの自然や平凡な町並み、そして彼女の身近にあるちょっと変わったものを愛し、そこからデザインのヒントを得ています。ねこやにわとり、 それに住宅街さえも、アマンダの手によってシルバーやゴールドのミニチュアに。それらがエナメルで色づけされ、ところどころに半貴石があしらわれることによって、とてもユニークでキュートなジュエリーへと姿を変えます。

「個性的」で「スタイリッシュ」。このふたつの要素がバランスよく調和したアマンダのジュエリーは、身につける人を毎日ハッピーな気持ちにさせてくれ、イギリス本国のみならず次第に日本でもコレクターが増えています。

アマンダは今、新作発表の準備で多忙な日々を過ごしているそう。後日、アマンダのアトリエにも訪問する予定なのでお楽しみに!

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